研究

植物成分「クロモジエキス」の予防効果と持続性

ウイルスを細胞に入れないためには、のどブロックが大切です
植物成分「クロモジエキス」の予防効果と持続性

クロモジエキスの予防効果は持続する

▼この内容は動画でも詳しく解説しています。

2019年の試験で、クロモジエキスの抗ウイルス作用は、朝・昼・夕の3回、4~5時間おきに8分間処理を行うと、翌日12時までその効果が持続することがわかりました。

クロモジエキスの効果は持続する

クロモジエキスを8 分間、1 度だけ処理すると、抗ウイルス効果は5 時間程度持続する。4 ~5時間おきに複数回処理をすると、その効果は大幅に伸び、3 回の処理で19 時間以上持続する。
出典:Kawahara T.etal. 日本生薬学会第66回年会

クロモジエキスは細胞にも作用し予防する

今回の研究で作用機序を調べたところ、ウイルスへの直接的な作用だけではなく、細胞側への作用が抵抗力を高めており、それにより抗ウイルス作用の予防効果と持続性を実現していることが明らかになりました。

クロモジエキスは細胞に作用する

あらかじめクロモジエキスで処理したウイルスを細胞に感染させたとき(上)と、クロモジエキスが作用している細胞にウイルスを感染させたとき(下)とで、比較した。後者では、より低い濃度のクロモジエキスでウイルスの増殖が抑えられた。
出典:Kawahara T. et al., Jpn. Pharmacol. Ther., 48, 1357-1371. 2020

他の食品素材との持続性比較

この持続性について、食品成分の中でもクロモジエキスと同じポリフェノール類で抗ウイルス作用が知られている茶カテキンと紅茶テアフラビンの持続性を比較しました。

他の食品素材との持続性比較

赤く見えるのは、細胞内で増殖したウイルスタンパク質。茶カテキンや紅茶テアフラビンの細は、対照(添加なし)と同程度ウイルスタンパク質が増加しているが、クロモジエキスの細胞ではウイルスタンパク質が増えていない。
出典:Kawahara T. et al., 第37 回和漢医薬学会(2020)

それぞれの成分を細胞に24時間浸した後洗浄し、12時間のインターバルを置いてからウイルスを添加したところ、茶カテキンと紅茶テアフラビンともに対象と同じ程度、感染を示す赤の染色が見られました。クロモジエキス処理については依然、抑制効果を保っていることがわかります、効果の持続性については、クロモジエキス特有の利点であることがわかりました。

今後の研究で、有効成分の特定ができることを期待

今回の実験には、一般的に流行するインフルエンザA型のウイルスを用いましたが、クロモジエキスはそのほかに下記のウイルスで抗ウイルス作用がわかっており、その効果は非特異的と言えます。

  • タミフル耐性インフルエンザウイルス
  • 2009年新型インフルエンザウイルス
  • アデノウイルス(風邪など)
  • エンテロウイルス(手足口病、ヘルパンギーナ)
  • ネコカリシウイルス(ノロウイルスの代替ウイルス)

クロモジエキスがどのようにインフルエンザウイルスを抑制するか、そのメカニズムの一部が解明されてきました。今後の研究で、有効成分の特定ができることを期待します。